太陽光発電システムは高額な設備であり、当然のことですが、保証期間と内容はとても重要になってきます。
基本的に、太陽電池モジュールの出力保証と太陽光発電構成機器の10年保証が一般的となっていますが、一部設備は1年保証などもあります。
こういった保証内容と保証期間は、太陽電池メーカーや販売店、設置業者により異なることも多く、導入前によく確認しておく必要があります。太陽光発電システムは、そうそう故障するものではありませんが、台風や雷などにより、いつ、どんな被害がでるかわかりません。備え(保証)あれば、いざという時に安心できます。
太陽光発電システムは、太陽電池モジュールとその周辺機器により構成されています。
◆太陽電池モジュール
屋根等に取り付け、太陽光で直流電力を発生させます。
◆接続箱
太陽電池モジュールで発生した直流電力を集め、パワーコンディショナに供給します。
◆パワーコンディショナー
家庭内で利用できるように、直流電力を交流電力に効率よく変換する装置。
◆外部発電モニター
毎日の発電状況を画面で確認できる装置。
◆分電盤
電気を安全に使用するために必要な漏電遮断器 (漏電ブレーカー) や配線用遮断器 (安全ブレーカー) を一つにまとめた箱のこと。ここから各家電製品に電気が送られる。
◆電力量計(売電・買電メーター)
電力を積算し計量する電気計器で、電力の売買取引上、重要な役割を担っている装置。
太陽光発電システムはこういった構成からシステムとして成り立っています。しかし、メーカーによっては、太陽電池モジュールは10年の出力保証、その周辺機器は1年保証というメーカーもあります。
そう簡単に壊れるものではありませんが、システムとして周辺機器も10年保証して欲しいところです。
導入後に安心して快適に使えなければ、何のために太陽光発電を設置したのかわからなくなります。
一般的な保証内容は次のような保証があります。(メーカーにより下記保証内容のないメーカーもあります。)
1. 出力保証
太陽電池モジュールの公称最大出力の81%以上
太陽電池モジュールの出力は、最大出力の下限値(公称最大出力の90%)の90%までを10年保証します。公称最大出力の数値は、JIS C8918で規定するAM1.5、放射照度1,000W/m2、モジュール温度25℃での値です。
つまり、太陽電池モジュール最大出力の81%以上は出力保証されていて、それ以下になると無償修理や交換といった対応をしてもらえる。ということですね。
2. システム構成機器に不具合が生じた場合
太陽電池モジュール、太陽電池設置架台、パワーコンディショナ本体などの構成機器に不具合が発生した場合。
3.災害などによる保証
火事や台風、落雷などの自然災害に対しても保証するメーカーもあります。ただ、一部条件付きの場合が多いです。(例:4年に1度の有償点検を実施していること。など)
4.設置工事などの保証
太陽電池の設置工事や、パワーコンディショナーの取り付け工事など、工事に問題があり正常な運転ができない場合などに保証が適用されます。
太陽光発電システムを正常に使用したにもかかわらず上記の不具合が発生した場合は、保証書記載の保証条件に従いシステム設置後、無料で修理、または交換を行います。
注意したいのは、メーカーにより保証内容と保証期間が異なります。また、メーカーと施工業者による施工保証がない場合、設置工事が原因で雨漏りしたり、脱落しても無償での修理はしてもらえません。販売店には、システムの保証と施工の保証、両方が付いているかどうかを確認しておきましょう。
また、免責事項として、「塩害地域への不適切な据付による故障及び損傷」などの場合、保証対象外になるメーカーもあります。
保証内容と保障期間は、メーカー10年保証(システム全体)にプラスして施工業者の設置保証がついていることが理想です。太陽光発電システム導入前に、必ず確認しておきましょう。