日本国内には、さまざまな太陽光発電(太陽電池)メーカーがあります。
有名なところでは、シャープ、京セラ、サンヨー、三菱の4社がありますが、このほかにも多くの太陽電池メーカーがあり、それぞれのメーカーで、環境対策、発電効率向上へむけての新技術、非結晶系太陽電池の使用などの特徴がみられます。
多くの太陽電池メーカーの中で今後の動向が気になる太陽電池メーカー7社を簡単にまとめました。
フィルム型アモルファス太陽電池、発電効率は8~10%程度。
フィルム型アモルファス太陽電池「FWAVE」はプラスチックフィルムがベース基板で、設置場所を選ばず、軽いこともあり大きな面積の場所や、屋根の補強なしでも設置できる。
シリコン系太陽電池とは異なる材質を使い、プラスチックフィルムを基板とし、厚さはわずか1mm、従来のガラスを使用した太陽電池に比べて重量で約1/10。薄いフィルム状で屋根や外壁への曲面設置など、取り付けの自由度が高く、設置する状況や用途に応じて最適な形で導入できる。
薄く、軽く、そして曲げることもできるため、保管場所を問わず、運搬も容易。施工も少人数で行えるなど作業効率にすぐれ、工事費・運用コストの削減にも貢献。今まで太陽電池を設置できなかった壁や曲面などの場所への応用が期待されている。
アモルファス太陽電池は設置してから、安定化するまでの数ヶ月の間は表示以上の発電出力を行う。また、一般に太陽電池は温度が上昇すると出力は低下するが、アモルファス系はアニール現象があり出力低下が少なくなる。これにより、太陽電池kW当たりの年間発電量は結晶系よりも10%程多くなる傾向にある。
ただし、結晶型と比較して発電効率が低いため必要な設置面積は大きくなる。
発電1W当たりコストが500円ちょっとでコストパフォーマンスが高い太陽電池
MSKは建築物一体型モジュールで世界一であったが、2006年8月、中国太陽電池大手のSuntech Power (サンテック)により買収された。
尚徳電力(サンテック)によって買収される以前のMSK の主たる事業はシャープ向けに太陽電池モジュールをOEM 供給することでしたが、2006 年3 月にシャープからのOEMの発注がうち切られたことがきっかけで買収に至った。
MSKは高品質な太陽電池モジュールを製造しており、主な商品では、単結晶タイプ、多結晶タイプ、アモルファスや建材一体型など、ラインアップを多彩に取り揃えてます。
また、最長15年のソーラーローンも利用できる。
薄膜シリコンハイブリット型
カネカのハイブリッド太陽電池は、従来の2層構造(アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコン)に新規透明中間層を積層する画期的な技術により、変換効率12%を達成した薄膜系太陽電池です。
この薄膜系の特徴としては、
カネカは、薄膜シリコンハイブリット以外に、「アモルファスシリコン太陽電池」、「シースルータイプ太陽電池」なども取り扱っている。
フジプレアムはアモルファス、 単結晶、 多結晶といった採光型モジュールなどの生産のほか、次世代太陽電池として期待されている球状シリコン太陽電池の開発を行っている。
球状シリコン太陽電池は直径1mmの球形をした結晶系シリコン太陽電池で、主な特徴としては、
現在の変換効率は11.7%であり,従来型の結晶Si太陽電池の13%強に比べるとやや低いが、2010~2011年には変換効率16%を目指す。
球状シリコン太陽電池は現在も開発研究されており、今後が期待される技術です。課題はやはり変換効率を上げるための改善が必要で、結晶系と同レベルの変換効率を得ることができれば、市場は拡大していくでしょう。
HIT太陽電池
単結晶の効率性とアモルファスの温度対応性能を掛け合わせた、住宅用では最高効率の太陽電池です。
日照条件の悪い場所や、夏場に高温になる地域、小スペースで発電量を多く得たいお宅などに向いています。ただ、他の太陽電池に比べ設置コストが高くなります。
HIT太陽電池といえばSANYO製の太陽電池が頭に浮かびますが、長州産業のHIT太陽電池はまさにSANYO製の太陽電池です。世界最高レベルの発電効率を誇る「HIT太陽電池」技術を持つサンヨーに開発・製造を委託したのが長州製作所のHIT205になります。
SANYO製のHIT太陽電池を使用しているにもかかわらず長州産業の方がモジュールコストが若干安いんですよね。1Wあたりの単価でみると、SANYOが702円に対し、長州産業は691円です。
このあたりはネームバリューの差というところでしょうか。
10年保証
構成機器・部品の不具合、太陽電池モジュールの出力低下に対する保証など、太陽光発電システムの10年保証あり。また自然災害補償制度もあります。
自然災害等により機器が損害を被った場合に200万円を限度に無償修理・交換。
火災・雷雨・台風暴風雨・豪雪・外部からの物体の落下飛来といった被害に遭われた場合に補償制度を利用頂できる。
長府はソーラー温水器が有名なメーカーですが、太陽光発電システムの販売も行っています。
太陽電池モジュールは屋根置き型で公称最大出力 130W。バイパスダイオード内蔵で、落ち葉や電柱等の陰による出力の低下を抑えます。
塩害地域(直接海水等がかかる場所を除く)への標準設置可。屋根との一体感を高める「屋根材型」もあり。
パワーコンディショナーの電力変換効率は95.5%とまずまずの効率です。
長府ソーラーローンにより設置資金の融資を受けることもできる。
長府の太陽光発電についての情報が少ないため、欲しい情報が少ないので、比較・検討の対象にいれることができそうにないですね。
実際に見積りをもらったり、営業と話しをしてみないと詳しいことはわかりません。機会があれば見積り依頼をしてみる予定です。
東芝は2008年7月中に太陽光発電システム事業に参入する。というニュースが流れました。
これまで、同じ半導体を扱う太陽電池のビジネスでありながら、シャープや三洋、三菱、京セラといった半導体ビジネスでは大手とはいえないメーカーがリードしてきた。この分野に半導体売上世界第3位の東芝が参入する。
太陽光発電システム事業参入に際し東芝は、米国での太陽電池モジュール最大手SunPower社(サンパワー)と調達契約を結んだ。これにより東芝は、太陽電池セルで22%,モジュールで約20%という世界最高水準の発電効率を誇る太陽電池を、サンパワー社から調達する。
これに東芝のエアコンなどで蓄積してきた回路技術を盛り込み、住宅向けの装置に組み立てて販売する。
また、東芝はインバーターの高効率化に取り組んでおり、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で電力変換効率97%の太陽光発電インバーターを開発した。
東芝が本格的に太陽光発電システムを販売すると、三洋のパネルと同レベルの発電効率+三菱のインバーターとも同レベルの高効率のインバーターという高い発電量が期待できるシステムとなる。
国内の太陽光発電システムは、シャープ、三洋電機など4社が市場のほとんどを握っているが、東芝は小型・軽量でも大きな電力を出せる利点を訴え、2010年に10%の国内シェア獲得を目指す。
こうして太陽電池メーカーをみると、メーカーにより特色が出ていますね。単結晶、多結晶、アモルファス、ハイブリッド、球状シリコンなど。
現状ではどのメーカーが良いとは言えませんが、どのメーカーも、さらなる生産性向上、技術向上、開発・研究に力を入れています。
今後の動向として、半導体の原料となるシリコンの使用量を抑えることのできる、もしくはシリコンを使用しない太陽電池が主流となってくるので、各メーカーの動向をチェックしておくことも大切ですね。