太陽光発電システムは、とてもシンプルな構成によりシステム化されています。知っておくと役立つこともありますので、一般的な住宅用太陽光発電「系統連係方式」のシステム構成と役割について簡単に説明します。
太陽電池素子そのものをセルと呼びます。素子中の電子が光エネルギーを吸収し、光起電力効果により電気エネルギーに変換しています。
1セルの出力電圧は通常0.5~1.0V程度であり、複数の太陽電池を積層したハイブリッド型や多接合型では1セルの出力電圧が高くなります。また、必要な電圧を得られるよう、通常は複数のセルを直列接続することで対応しています。
最近主流となりつつある薄膜型太陽電池では、複数の直列接続されたセルを一枚の基板に作り込むことで、小型でも高電圧を発生でき、セルを直列接続する結線工程も省力化できるようになっています。
セルを必要枚数まとめて、樹脂や強化ガラス、金属枠で保護したものをモジュール(パネル)と呼んでいます。
モジュール化することで取り扱いや設置を容易にでき、湿気や汚れ、紫外線や物理的な応力からセルを保護できます。また、モジュールの重量は通常、屋根瓦の1/4~1/5程度となっています。
ストリングとは、太陽電池モジュール複数枚を直列に接続したものです。太陽電池をパワーコンディショナに接続する場合、太陽電池モジュールを一定 の枚数(標準枚数:9~12枚)毎に直列接続して電圧を揃える必要があり、太陽電池の規模に応じてこのストリング数が決まります。
ストリングを並列接続し、架台等に設置したもの。
太陽電池からの配線を一本にまとめてパワーコンディショナー(インバーター)に送る装置。太陽電池に電気が逆流したり、一度に大きな電流が流れないようにする機能を持っているものもあります。
シャープは接続箱内臓タイプのパワーコンディショナーがあり、接続箱不要の製品もあります。
太陽電池で発電された直流電気を、電力会社と同じ交流電気に変え、家庭用電化製品に使えるようにする装置。停電時に運転するための自立運転機能を備えているものもあります。電力変換効率は、各メーカーとも90~95%程度です。
最近は、変換効率も上がり、97%という製品も出てきています。
パワーコンディショナーからの電力を建物内の電気機器などに分配します。太陽電池系統と商用電源系統との連系点となります。
(左…買電用メーター 右…売電用メーター)
電力会社から買った電力量を計測する装置。系統連系型太陽光発電を設置した場合、電力会社から購入するときの買電用メーターと、電力会社に売電した電力を把握するための売電用メーターの二つが必要となります。
売電用メーターは余った電力をいくら売ったかを記録してくれます。
太陽電池で発電した電力量などの発電状況や、電力会社との売り買い量などの確認ができる装置。
太陽光発電システムは、一般的なものでは、こういった構成になっています。(利用環境や発電方式、蓄電タイプなどで、構成が異なる場合もあります。)