日本国内には、さまざまな太陽光発電(太陽電池)メーカーがあります。
有名なところでは、シャープ、京セラ、サンヨー、三菱の4社がありますが、このほかにも多くの太陽電池メーカーがあり、それぞれのメーカーで、環境対策、発電効率向上へむけての新技術、非結晶系太陽電池の使用などの特徴がみられます。
「発電効率が高く、コストが低い」、そんな太陽電池メーカーが見つかるといいのですが、なかなかそんな太陽電池メーカーは見つかりませんよね。
しかし、どのメーカーも発電効率とコストには力を入れています。
多くの太陽電池メーカーを知ることで自分にあった太陽光発電はどれか?が見えてきます。なるべく多くの太陽電池メーカーを確認しておくと良いかと思います。
では、簡単に国内の太陽光発電(太陽電池)メーカーを紹介します。
太陽光発電メーカーは数多くありますが、まずはシェアの高い4社と期待の2社のメーカーからです。
シャープ (サンビスタ) 多結晶シリコン型 発電1W当たりコスト約520円
パワーコンディショナに昇圧機能つき接続箱が内蔵されているため、太陽電池モジュールとパワーコンディショナの設置だけですみ、耐風圧性能が高く屋根の端近くまで設置できる。なお、パワーコンディショナーの屋外設置はシャープだけ。
シャープは1994年より住宅用太陽光発電システムを商品化し、光の反射を抑えるシャープ独自の技術により、セル変換効率は単結晶タイプで17.5%、多結晶タイプで16.0%と効率が高い。
また、最近では、トリプル型薄膜太陽電池(アモルファスシリコン(2層)と微結晶シリコン(1層)の3層構造)と呼ばれる商品もあり、セル変換効率も13%と向上してきています。
サンビスタは「ソーラー住宅システム」認定商品であり、3kW以上のシステムを設置した場合、住宅金融公庫で200万円の割増増資が受けられる。また、シャープ独自の15年低金利「サンビスタローン」が利用可能。
シャープは国内では唯一の宇宙開発事業団認定企業です。
導入時のコストを安く抑えられるのが「シャープ」
京セラ (SAMURAI) 多結晶シリコン型 発電1W当たりコスト約630円
寄棟・複合屋根向けの「SAMURAI(サムライ)」と切妻・陸屋根向けに「ECONOROOTS(エコノルーツ)」という2種類の主力商品あり。
京セラの太陽電池は、他メーカーと比べモジュールサイズが小さいという特徴があり(これまでのモジュールの約1/3)、このモジュールを組み合わせることで、複雑な形状の屋根でもすき間なくおさめることができる。
パワーコンディショナは MPPT(最大電力追従制御)内蔵で、日射の強さや温度の変化に応じて、太陽電池モジュールから得られる電力が最大になるよう自動的に制御。
※MPPT=Maximum Power Point Tracking
京セラ独自の10年保証で火事や台風、落雷といった自然災害(地震・津波・噴火は除く)に関しても適用される。ただし、定期点検(1年次無料、設置後4年毎の点検は有料)を受けることが条件となっている。(2万円前後の費用)
15年低金利の「京セラソーラーローン」もあり。
屋根形状にフレキシブルに対応でき、屋根との一体感では「京セラ」
三菱電機 (MXシリーズ) 多結晶シリコン型 発電1W当たりコスト約620円
パワーコンディショナーの電力変換効率が97.5%と高く、業界最高の電力変換効率を誇る。これにより従来より少ないモジュール数で設置可能。
MPPT制御によって日射量が少なくても高い変換効率を維持する。積雪1.5m以下の地域まで設置可能で、塩害地域にも標準対応する。
日本家屋に多く見られる寄棟屋根にフィットするのが「三菱電機」
三洋電機 (HIT太陽光発電) ハイブリッド型 発電1W当たりコスト約715円
モジュールの面積あたりの発電量が多く、小さな面積でも発電量を確保できる。夏の高温時でも高い出力を維持する。モジュール・パワーコンディショナ全機能で「エコマーク」を取得。
三洋電機のHIT太陽光発電は、単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせ、光電変換効率17.0%(モジュール効率)と業界1の発電効率を誇る。
HITは結晶系に比べまだコストが高いが、三洋が開発した200Wパネルは、住宅用3kWをわずか15枚のパネルで賄うことができる。その設置面積も17.7m2と、これまでの太陽電池と比較しても非常に小さいため、これまで設置が不可能であった小規模住宅向けで需要が期待できる。
同じ設置面積でも、より多く発電したい場合は「三洋電機」
昭和シェルは、太陽光発電パネルを製造し始めたのは2007年7月で、まだ1年しかたっていない。量産品の品質が評判よく、ドイツやフランス、イタリア向けに飛ぶように売れている。
太陽光発電パネルは、CIS型の薄膜系といわれるタイプで、通常の太陽光発電パネルで使用しているシリコンをいっさい使っておらず、C(Cu:銅)、I(In:インジウム)、S(Se:セレン)という化合物を原料としている。
CIS型太陽電池モジュールの変換効率は10~12%と、結晶型太陽電池に比べて2~3%低い。だがCIS型は結晶型と違いセルが黒色で、あらゆる光を吸収する。波長の長い光も電気に変換できるため、製造技術が進めば変換効率で結晶型と並ぶ見通しで、2010年には変換効率を13%まで高める計画。
CIS太陽電池(商品名「SOLACIS(ソラシス)」)は、経済産業省資源エネルギー庁主催(財団法人新エネルギー財団)の平成19年度第12回新エネ大賞の最高賞である経済産業大臣賞を受賞。
ホンダソルテックは2007年に家庭向けの太陽光発電システムに本格参入。CIGS型薄膜太陽電池の量産出荷を始めており、この“CIGS”とはC(Cu:銅)、I(In:インジウム)、G(Ga:ガリウム)、S(Se:セレン)という化合物の頭文字をとったものです。
CIGS系薄膜太陽電池は、現行の結晶シリコン系太陽電池と比べて、光吸収層が薄く、製造時のエネルギー消費が少ない。また、従来の太陽電池が直列接続で電柱や木の影の影響(電圧降下)で発電量が落ちるのに対し、非シリコン(CIGS)太陽電池は並列接続のため、影がシステム全体に及ぼす影響が少ない。などの特徴がある。
価格は、バルク型シリコンと同レベル。しかし、シリコン系に比べてCIGSの工程は約半分ですみ、量産が進めば製造コストが一気に下がる可能性を秘めている。
最も効率が高いバルク型シリコンで13~19%、薄膜シリコンは11~12%。CIGSは現時点では10~11%であり、シリコン系に比べて劣ってはいるが、CIGSの理論値は25%超で薄膜シリコンを上回る。
それぞれの太陽電池メーカーで特徴がありますよね。
どのメーカーがベストなのかは、個々の住まい環境により変わってきます。発電効率も大切ですが、アフターサービスや保証、パネル形状や設置面積などもよく検討しておくことが大切です。
ここでは、主要4社と期待の2社の特徴を簡単にまとめましたが、これ以外の太陽電池メーカーを次回にまとめます。